もくじ
ロンドンのコワーキングスペース事情
2005年にサンフランシスコでコワーキング運動が始まって以来、世界中でコワーキングスペースなどを利用した自由な働き方が進んでいます。ヨーロッパの中でもとくにロンドンはコワーキング市場の先駆けで、ロンドン市内には170件以上ものコワーキングスペースがあります。
ロンドンのコワーキングスペースの選び方
ロンドンのコワーキングスペースを利用するときに、借りるスペースのタイプを選びます。価格は「ホットデスク<専用デスク<プライベートオフィス」の順に高くなります。
コワーキングスペースを個人で使うときは、オープンスペースを使います。ホットデスクは座席フリーで、空いている席を選びます。地域によってはCool Deskと呼ぶこともあります。
専用スペースは、オープンスペースの好きな席を、自分専用に借りることができます。自分専用なので、荷物を置きっぱなしでも大丈夫!(盗難には注意してください。)Named Deskと呼ぶこともあります。
プライベートオフィスは専用の個室をレンタルします。Co-studioと呼ばれることもあります。イギリスではワンルームなどのことをスタジオ(studio)と呼びます。料金は高いですが、機材をたくさん使う人にはおすすめですね。ロンドンでは個人利用できるコワーキングスペースの数も多いですが、会社で借りることのできる共同オフィスもたくさんあります。
Hot Desk | 共同スペースで空いている座席を使う |
Dedicated Desk | 共同スペースで自分の席をキープできる |
Private Office | 1人〜数人用の個室をレンタル |
ロンドンの生活でかかるコスト
ロンドンはノマドワーカー人気93位の都市です。ネット環境や生活衛生面が整備されているので住みやすい街ですが、コストが高いのでランキングの順位は下がってしまいますね。
ロンドンでは、ローカル感覚で生活する場合でも15万〜20万円はします。
ロンドンには200近いコワーキングスペースがありますが、2018年の調査によると、ロンドンのコワーキングスペースのデスクひとつあたりの月額費用の平均は£613(約83,000円)だそうです。ロンドンでコワーキングスペースを探していたときの私の体感だと3万円〜6万円といった感じでした。日本なら東京近郊で一人暮らしできてしまいます。
ロンドン中心部から離れたスペースだと料金が下がり、家賃も安く抑えられるので、いい立地を見つけることができれば、ロンドンでコワーキングスペースを利用することも現実的です。
コワーキングスペースを使うメリット
ロンドンのコワーキングスペースの利用料金は高いので、どこで仕事をするか迷ってしまいます。自宅やライブラリー、カフェなども仕事や勉強に使えますが、人口の多いロンドンではいつも混み合っています。席を立つ時の不安や、周囲の騒音、空いているカフェを探し回ることを考えると、コワーキングスペースを利用することもいい手段です。
- 席を確保しやすい
- 荷物を置いてトイレにいける(自己責任)
- ロッカーが使える
- プリンターが使える
- 気分転換しやすい
- コミュニティに入れる
ロンドンにあるコワーキングスペースは、どこもおしゃれでクリエイティブなところばかりなので、作業環境でどこのスペースを借りるかあまり悩む必要がありません。カフェやガーデンがあるのでちょっとした気分転換もしやすいです。
トイレや気分転換に席を立つときも、利用者同士仲間意識もあるしCCTV(監視カメラ)もあるのでカフェやライブラリーなどの公共の場所より安心して作業に集中することができます。
顔なじみになってくるとメンバー同士で仲良くなることもあるので、知らない土地でコミュニティに属しているというのも安心感があります。スタートアップやセミナー、交流会などのイベントを開催しているコワーキングスペースが多いです。
コワーキングスペースが多いエリア
ロンドンには200近くものコワーキングスペースがあるので、簡単にスペースを見つけることができます。とくにコワーキングスペースが多くあるエリアを抜粋しました。
- キングス・クロス(Kings Cross)
- ロンドン ブリッジ(London Bridge)
- バンク(Bank)
- ショーディッチ(Shoreditch)
- ホワイトシティ(White City)〜ハマースミス(Hammersmith)
ハリーポッターで有名なキングス・クロス駅周辺です。
大学が集まるエリアです。
オフィスが多くあるエリア。
イーストロンドン。再開発が進み、最近ではおしゃれスポットになりつつあります。
BBCのオフィスやIT企業が集まるエリアです。
ロンドンで有名なコワーキングスペース
ロンドンにあるコワーキングスペースは多すぎて紹介できないので、ロンドン市内に展開しているチェーン系のコワーキングを紹介します。
WeWork
WeWorkは2010年に設立されたニューヨークに本社を置く世界最大のコワーキングブランドです。27ヶ国80都市で280以上のコワーキングスペースを運営しています。ロンドン市内には46店舗があります。日本でも六本木や銀座などに18店舗展開してます。ロンドン市内で安い店舗でホットデスク1ヶ月£200(34,000円)からとなります。中心部は6万円以上する店舗がほとんどです。
Workspace
ロンドンのレンタルスペース事業を30年以上運営してきた会社です。ロンドン市内には66店舗あり、ワーカー同士の交流もしやすいコワーキングスペースです。スタートアップ向けや、グラフィック向け、アーティスト向けなどオフィスごとの特徴から選ぶこともできます。
The Office Group
2003年に時代の変化にインスパイアできる方法をデザインすることを目的にしたグループです。ロンドン、ブリストル、リーズに33店舗展開しています。月額375ポンドから利用可能。
Mindspace
Mindspaceは比較的新しい世界規模のワークスペースプロバイダです。チームの人数に合わせたスペースを選ぶことができます。1つのメンバーカードで、ロンドン、ミュンヘン、サンフランシスコ、ベルリン、フランクフルト、テルアビブ、アムステルダムなど14都市のオフィスを利用することができます。ロンドンにはイーストロンドンに2店舗あります。
LABS
生産性を重視して設計された最先端のコワーキングスペースです。イベントコーディネーターと共同でイベントも開催しています。ロンドン市内には9店舗展開しています。1ヶ月£199から借りられます。
LEO
LEO Executive Officeは20年以上ロンドンでオフィスを運営してきた会社です。最上級の管理サービス、広い会議室、高級ラウンジなどラグジュアリーなオフィスを提供しています。高級オフィスなので価格設定もそれなりです。
Landmark
Landmarkはビジネスクラスのオフィスが必要な人向けに、1台から100台まで収容可能な共同オフィスがあります。ロンドン市内には34店舗展開しています。ロンドン以外にもマンチェスター、グラスゴー、ミルトン・ケインズ、エディンバラ、バーミンガムにもオフィスがあります。24時間アクセス可能なオフィスもあります。Club Space会員では、1ヶ月£135でロンドンと近隣国にある30箇所のオープンスペースを利用することができます。
Second Home
Second Homeは未来的、革新的、想像的なオフィスを提供しテイルロンドン発のコワーキングスペースです。ほかにもポルトガル、アメリカに展開しています。ロンドン市内にはスピタルフィールズ、ホーランド・パーク、クラーケンウェル・グリーン、ロンドン・フィールズの4店舗あります。
Work.Life
Work.Lifeのキャッチフレーズは、「Thank god it’s Monday」、仕事の時間や習慣についての考え方を変えるというコンセプトです。仕事で過ごす時間が素敵な場所であるべきという考えのもと、素敵なオフィスを提供しています。
ロンドンに7店舗、そのほかにレディング、マンチェスターに店舗があります。ホットデスクやプライベートオフィスの他に、1時間£4から使えるプランもあります。
Huckletree
Huckletreeは独創的でおしゃれなスペースを提供しています。現在はロンドンに5店舗とマンチェスターとダブリンに展開しています。1ヶ月£175から利用できます。
ロンドンのコワーキングスペースまとめ
ロンドンには本当に多くのコワーキングスペースがあり、自分にあったスペースを探すにも一苦労です。1時間から利用できる「Work.Life」や月額料金でマルチスペースを使える「Landmark 」もノマドトラベラーとしては気になります。
空いているスペースを月額2,000円以下でできるサービスも!
2018年6月に創設された「AndCo(アンド・コー)」は、カフェやレストラン、パブなどの営業時間外で使われていないスペースをコワーキンギスペースとして貸し出すサービスです。
月額£20(約2000円)で2019年7月現在90カ所以上あるスペースを利用することができます。ロンドンでコワーキングスペースを利用するには、平均80,000円もするので、月£20で利用できるのはお得なサービスです。7日間のフリートライアルもあるので、短期旅行のときにも気軽に試すことができます。