噂では、イギリスのYMSビザは宝くじが当たるより倍率が高いと言われるほど希少なビザです。しかし、YMSビザ申請時に指定できる入国日には期限があります。YMSビザでのイギリス入国期限に間に合わない方は、Vignetteを申請して入国期限の延長することができます。ここでは、Vignetteの申請手順をまとめています。
もくじ
YMSビザが当選したけど入国期限に間に合わない!?
YMSビザでは最長6ヶ月以内の入国期限があります。運良くYMSビザに当選したものの、仕事の都合やプライベートの都合で入国時期をもっと遅らせたいことこともありますよね。とにかく希少なビザなので、翌年に再応募しても当選する可能性は極めて低いです。
イギリスの滞在許可が降りた場合、Vignetteと呼ばれる滞在許可証が交付されます。Vignetteの許可期間内にイギリス国内へ入国できない場合は、「Vignette Transfer」というシステムを使って、Vignetteの滞在許可期間を変更することができます。
イギリス入国に必要なVignetteとは?
「Vignette」と言われても、聞きなれない言葉でなんのことだかわかりませんよね。「Vignette」は「ヴィネット」と読みます。イギリスYMSビザの申請が終わり、申請が済んだパスポートを受け取ると「Vignette」というステッカーが貼られます。
そもそもVignetteとはなんなのか、ということですが、「Vignette」はフランス語を語源とした言葉です。
goo辞書
(人・状況などを)的確に描写したもの
(書物のとびら・章頭・章尾などの)飾り模様;(写本などの)装飾図案,唐草模様
ビネット(◇輪郭をぼかした絵・写真など);小さな感じのいい絵[眺め];優雅な文芸小品
そのほかにも、ヨーロッパ諸国では道路税の支払いを示すためのステッカーとして使われています。
イギリスビザの申請における「入国許可証」は、「Vignette」(=ステッカー)が旅行書類にとしてパスポートに貼られます。申請者の国籍に応じて、通関手続きのひとつとして指定されています。
GOV.UK|SAMPLE
YMSビザの申請からイギリス入国までの流れ
YMSビザの応募は、毎年1月と7月にあります。それぞれ800人と200人が当選します。
1月のYMSビザに当選した場合、3月末日までにYMSの申請フォームを完成し、ビザの料金と国民保険の料金の支払いを完了しなければなりません。
また、YMSビザの申請では、「ビザ申請は渡航希望日の6ヶ月前から可能」というルールがあります。つまり、「ビザ費用支払い日から6ヶ月以内に入国」することが入国期限となります。ビザ申請と費用支払いには、抽選時期によりそれぞれ期限があるため、入国時期は最長で、1月抽選の場合は9月末ごろ、7月抽選の場合は翌年3月ごろに指定することができます。
Vignetteの有効期限は、YMSビザ申請時に指定した入国予定日から1ヶ月以内です。つまり、イギリス入国は最長で、1月抽選の場合は10月末ごろ、7月抽選の場合は翌年4月ごろとなります。Vignetteの有効期間をすぎる場合は必要なタイミングで「Vignette Transfer」を申請しましょう。
1月抽選 | 7月抽選 | |
---|---|---|
申請&支払い期限 | 3月末まで | 9月末まで |
入国予定日 | 最長9月末までに入国予定 | 最長翌年3月末までに入国予定 |
入国日 | 最長10月末までに入国 | 最長翌年4月末までに入国 |
Vignette Transferの申請方法
Vignette Transferの申請のタイミングは!?
Vignetteトランスファーの申請は、YMSビザの滞在期間内であればいつでも可能です。
私の場合は、2018年9月26日~2020年9月26日までがYMSビザで滞在できる期間だったため、この期間内であれば2018年12月でも、2019年4月でも、2020年8月でもいつでもVignetteトランスファーをすることができます。しかし、Vignetteトランスファーはあくまでも入国時期をずらすためのもので、YMSビザで滞在期限は変わりません。
つまり、Vignetteトランスファーをしてもイギリスでの滞在期間は、
- 2018年12月~2020年9月26日 →21ヶ月
- 2019年4月~2020年9月26日 →17ヶ月
- 2020年8月~2020年9月26日 →1ヶ月
しかし、YMSビザの当選は宝くじよりも難しいと言われているので、仕事や貯金の都合などですぐに渡英の目処がたたない場合でも、再度YMSビザの応募にチャレンジするよりVignetteトランスファーを使った方が建設的です。
Vignetteトランスファーの申請は、滞在期間内であればいつでも申請できる→「入国予定日を過ぎないと申請できない」「Vignetteの有効期間を過ぎてからも申請できる」ということになります。
Vignetteトランスファーの申請費用
Vignetteトランスファーの申請にかかる費用は、1度の申請あたり168ポンド(約25,000円)です。
”1度の申請あたり”と書いた理由は、Vignetteトランスファーの申請でも入国予定日を指定しなければなりません。入国予定日を再び過ぎてしまう場合は、再度申請費用を支払って申請する必要があります。
Vignetteトランスファーの申請の流れ
- Visa4UKにログインする。
- 「Apply for myself」から新しく申請書を作ります。
- 「Vignette Transfer」の申請を選択します。
- Reason for Visit : Other
- Visa Type : Other
- Visa Sub Type : Vignette Transfer を選択する。
- 申請状況の確認
Vignetteの受け取り方法
YMSビザ申請時と同じように、Vignetteトランスファー申請時に予約した日時に予約した東京または大阪のビザセンターに行きます。
ビザセンターに持っていく書類は、
- パスポート
- 予約のE-メール
- バーコードがついている申請書(6ページくらい)
有効期限が記載されているVignetteは無効になるので、顔写真と指紋を再度とって申請のアポイントメントは終わりです。
Vignetteトランスファーにかかる日数
Vignetteトランスファーの申請でも、YMS申請のときと同じように、マニラのイギリスビザセンターに送ってVignetteを発行してもらいます。申請にかかる期間は2~3週間前後です。ビザセンターの申請時に2,000円くらい払って早く受け取れる「Rapid pass」もあります。
新しいYMSビザの受け取り
審査が完了すると、登録したメールアドレスに”受け取りに来てください”と連絡がきます。今回、なぜかメールが届いておらず(間違えて消しちゃったのかもしれませんが)、東京のビザセンターから電話がかかってきました。「今月中にきてもらわないと、パスポートがどうなるかわからない」と言われてしまいましたが、翌日無事に回収できました。
Vignetteトランスファーの申請でも、パスポートが戻ってくるまでに時間がかかるので、渡英日までに余裕をもって申請をしましょう。
1回目のYMSビザ無効になったので赤いバツがされ、違うページに新しいVignetteが貼られます。
Vignetteトランスファー申請方法のまとめと注意点
英国ビザの申請は、手順が厳しい、ルールがよく変わる、他の国のビザに比べて情報量が少ないので大変ですね。Vignetteトランスファーをするときに気になる注意点をまとめてみました。
- Vignetteとは、30日間の滞在許可
- YMSビザでの滞在期限は変わらない
- 当初の入国予定日〜YMSビザの滞在期間中ならいつでも申請可能
- Vignetteの申請回数に制限はない
- 一度の申請は£168ポンド(約25,000円)
- Vignette を再申請したら、入国日は再設定した日よりも前に渡英することはできない
まず、Vignetteとは、30日間の入国許可証のことです。Vignetteの期間はカレンダーの一月ではなく、30日なので気をつけましょう。ほかにも、UKビザの申請に関する日程は日数で指定されていることが多いので注意が必要です。
Vignetteトランスファーの申請は当初の入国予定日を過ぎてから申請ができます。また、YMSビザの期限は変わらないので、いつ入国してもよく、滞在期間内の日程であればいつでも指定できます。
Vignetteトランスファーは何度でも申請できますが、申請費用はその都度かかります。また必ず審査が通る保証はありません。
Vignetteトランスファーで申告した入国予定日よりも前に入国することはできません。入国予定日よりも先に入国してしまうと、通常のYMSビザ入国の流れと同様で、ビザ自体が無効になってしまいます。Vignetteトランスファーの許可が降りた時点で、最初にもらったVignetteは無効になっているので、入国時期に注意してください。