自宅で新型コロナ抗体検査をしてみた!

これから冬シーズンになり、新型コロナウイルスの状況の悪化が心配ですね。新型コロナウイルスが収束するためには、風邪やインフルエンザがなくならないのと同じで大勢の人が免疫を持つ(集団免疫)ことが必要です。今回、日本に帰国しPCR検査は陰性でしたが、日本より状況の悪かったイギリスにいたため新型コロナウイルスの抗体検査をしてみました。

新型コロナウイルス抗体検査とは

新型コロナウイルスは、感染力は強いですが、発熱や咳などの症状がでない人が過半数です。新型コロナウイルスの抗体検査では、今まで自覚症状がなかった人でも「過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるか」を調べることができます

抗体には5種類あり、新型コロナウイルス感染の検査にはIgG抗体とIgM抗体を調べます。

IgM抗体は、ウイルスに感染後、最初に作られ早期に消失します。IgM抗体は、感染から約1週間後から血液中に増え始めます。現在感染している人ではIgM抗体も陽性になることが多いです。

IgG抗体は、IgM抗体に続いて産生されます。血液中でもっとも量が多い抗体で、長期に渡って存在します。IgG抗体を獲得すると、次回同じウイルスに感染したときにすばやく免疫が働きます。ちなみに予防接種では、弱い抗原に感染させることで抗体を事前に獲得し、重症化しないようにしています。IgG抗体は感染から3〜4週間経過後に陽性になります。

PCR検査と抗体検査は何が違う?

PCR検査では、「現在、新型コロナウイルスに感染しているか」を調ベル検査方法です。鼻粘膜や唾液を使って体内にウイルスがいるかどうかを検査します。インフルエンザ感染の検査方法と同じ方法です。

PCR検査は、世界中で新型コロナウイルスの確定診断に用いられていますが、日本では供給が追いついていないため、症状がない人はいまだに検査することができません。

検査の種類 PCR検査 抗体検査
調べるもの ウイルス 抗体
時期 現在の感染 過去数週間〜数ヶ月の感染
検査時期 発症2日前〜発症後10日後 感染してから2週間以上経過後〜
検体採取方法 鼻粘液または唾液 血液
結果が出るまでの時間 数時間〜数日 10分〜数日
Point

  • PCR検査は、現在感染をしているかを調べることができて、感染の可能性があれば毎回検査します。
  • 現時点では新型コロナウイルスの抗体がいつ消失するかわかっていませんが、一度抗体を獲得するとしばらく免疫が持続します。

新型コロナウイルス抗体検査の種類

一方、「抗体検査」は病原体(ウイルス)そのものを調べる検査ではなく、病原体(ウイルス)に感染していたか否かを知るために行われます。少量の血液で簡単に検査ができるというメリットがあります。

新型コロナウイルスの抗体検査には、大きく分けて2種類あります。15分程度で結果がわかる迅速検査(イムノクロマト法)と厚生労働省採用のECLIA法があります。どちらの方法も、病院で検査することも、検査キットを購入し自宅で検査することもできます。

厚生労働省認可の抗体検査法:ECLIA法

厚生労働省採用のECLIA法は、スイスのロシュ・ダイアグノスティックス社が開発し、世界でも推奨されている抗体検査方法です。ECLIA法は、迅速検査と比べて検出感度が高いですが、専門の機器を使って臨床検査技師が検査するので結果が出るまでに数日かかります。

ECLIA法では、PCR検査で陽性確認後、14日以降で感度100%(真陽性の割合)、また特異度99.8%(真陰性の割合)で調べることができます。

ECLIA法で検査してみた

自宅でできる抗体検査キットのほとんどは、イムノクロマト法を使う迅速検査キットですが、GME 医学検査研究所では、厚生労働省推奨のECLIA法で検査できるキットが販売されています。

注文した翌日にクロネコヤマトのネコポスで届きました。

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中を開けると、検査キット、申し込み用紙、返送用のレターパックが入っています。

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採取用のランセットは2本入っています。ランセットを指に押し付けると針が出て指に穴があくのですが、針よりも押し付けている段階の方が痛かったです。
結構な量の血液を採取しなくてはいけなくて指先から絞り出すのが大変でした。一回であまり撮れなかったので2本とも使いました。小指が痛くなかったです。

ロートがついているので、採取容器と合体させて容器立てに立たせて血を集めます。

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血液採取後は、返送用の袋→緩衝袋に入れて、血液のついた医療用廃棄物と申込み用紙と一緒にレターパックに入れてポストに投函します。

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検査結果は、返送してから2〜4日でネットで確認することができます。

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自宅ですぐに結果がわかるイムノクロマト法

迅速検査では、15分程度で検査結果を確認することができます。イムノクロマト法では、感染初期に正しい結果がでないこともあるようです。新型コロナウイルスに感染していても十分な抗体が作られていなかったり、検査のタイミングが合わないと正しい結果が出ない場合があります。

15分で結果が出る迅速検査キットを試してみた

CHECK CORONAで、すぐに結果のわかる迅速検査キットを試してみました。

CHECK CORONAも、注文した翌日にポスト投函で届きました。GMEのキットと比べると、内容品がすっきりしていますがわかりやすくて良いです。

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アルコール綿で消毒してから、針で指に穴をあけます。スポイトで血液を取り、検査キットに1〜2滴血液を垂らします。上から滅菌水を1〜2滴流して希釈させます。

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5分程度で結果が出ました。簡易検査キットですが、IgG抗体とIgM抗体の両方を調べることができます。採取する血液の量もGMEと比べると少ないのが良いです。

抗体検査で陽性で免疫を獲得していても、従来の風邪の原因となっていたコロナウイルスの型に反応していたり(交差反応)、抗体量が少ないまたは減少してしいまっていて正しい検査結果が出ない場合があります。「抗体検査で陽性でも必ず新型コロナウイルスに感染しない」とは言い切れないので注意が必要です

新型コロナウイルスの抗体を獲得できていた場合、自分自身が発症しにくくなることが予想できますが、キャリアとなってウイルスを人に移してしまう恐れがあるので、ソーシャルディスタンスやマスクは続けましょう。

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