もくじ
世界有数のビーチリゾートハワイで日焼け止めが禁止される!?
2021年1月1日からハワイで紫外線吸収剤が配合された日焼け止めの販売が禁止になります。日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤の代表的なものには、オキシベンゾンやメトキシケイヒ酸エチルヘキシルがあります。紫外線吸収剤は、サンゴ礁の白化現象や遺伝子損傷の原因になるという報告があります。
また、パラオでは既に2020年1月から紫外線吸収剤を含む日焼け止めの販売、使用、輸入が禁止になっています。
他にも、2021年1月1日から以下の地域でも紫外線吸収剤を含んだ日焼け止めの使用が禁止されます。
- フロリダ・キーウエスト
- カリブ海・ボネール島
- メキシコ・自然保護区域
「ノンケミカル」の日焼け止めとは
「ノンケミカル」とは、化学物質が入っていないという意味ではありません。ケミカル、ノンケミカルの日焼け止めには、どちらにも化学物質が含まれています。化学的に合成された紫外線吸収剤が配合されているものを「ケミカル」(従来の日焼け止め)、酸化亜鉛や酸化チタンなど紫外線散乱剤と呼ばれる物質を含んだものを「ノンケミカル」と呼びます。
ノンケミカルの日焼け止めは、サンゴ礁(Reaf)を傷付けないという意味で、「リーフフリー」「リーフフレンドリー」「リーフセーフ」とも呼ばれます。
「ビーガン」向けの日焼け止めとは
ビーガンとは、ベジタリアンの一つで、乳製品や卵を含む動物性の食品を一切食べない人のことを指します。また、動物の革製品やファーなども避けています。
ビーガン向けの日焼け止めとは、サンゴ礁に優しいリーフセーフなだけでなく、動物由来の成分を含まないこと、動物実験をしていない製品を指します。
動物由来の成分が含まれていない製品には、「Vegan」ロゴがついています。「ビーガン」という用語は法律で規制されていないので、「Vegan」ロゴがなくてもビーガンの製品もあります。
動物実験をしていない製品には、ウサギが描かれた「クルエルティフリー(Cruelty Free)」マークがついています。
ヨーロッパでは、2009年3月から動物実験の禁止、動物実験を行った化粧品の販売・輸入を全面的に禁止になっています。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、紫外線を熱エネルギーなどほかのエネルギーに変換させることで日焼け防止効果を発揮します。
- ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(化粧品成分表示名称:オキシベンゾン)
- 医薬部外品表示名称:パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
化粧品成分表示名称:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(旧称:メトキシケイヒ酸オクチル、オクチノキサート) - ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(旧称:ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル)
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(慣用名:アボベンゾン)
- エチルヘキシルトリアゾン(旧称:オクチルトリアゾン)
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
- ドロメトリゾールトリシロキサン
- テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(慣用名:エカムシェル)
- パラアミノ安息香酸(PABA)
紫外線散乱剤
紫外線散乱剤は、紫外線を吸収せずにはね返すことで紫外線が肌に届くことを不正でいます。
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
- 酸化セリウム
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の特徴と違い
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して化学反応を起こすので、人によっては刺激を感じることもあります。一方、紫外線散乱剤は、紫外線をそのまま跳ね返すので化学反応による肌への負担は紫外線吸収剤と比べると少なくなります。紫外線散乱剤は硬いテクスチャーで、紫外線吸収剤と比べると伸びが悪く白浮きしやすい特徴があります。紫外線散乱剤は水分や摩擦による耐久性も弱いので、2〜3時間ごとのこまめな塗り直しが必要になります。
紫外線吸収剤 (ケミカル) |
紫外線散乱剤 (ノンケミカル) |
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肌への刺激・負担 | 大 | 小 |
使用感 | 白浮きしにくい | 白浮きしやすい |
テクスチャー | 伸びが良く馴染みがいい | 硬い |
ウォータープルーフ | 強い | 弱い |
価格は、紫外線散乱剤のみの日焼け止めの方が高いと思います。紫外線吸収剤のみの日焼け止めと比べると、ノンケミカルまたは、紫外線吸収剤と散乱剤の両方が含まれている製品が価格が高くなる傾向です。